Airtableの代替ツールを並べた記事は、どれも席単価から始まります。けれどその数字が決め手になることは、ほとんどありません。4人のチームが$20と$10を比べているとき、議論しているのは年$480の差にすぎず、実際の壁はまったく別の場所にあります。ベースの上部にあるレコードカウンター、無料プランでは1,000で赤くなり、貼り付けを受け付けなくなる、あの数字です。
だからこれは価格のランキングではありません。各ツールが何を計測しているかの比較であり、内容は2026年10月31日にベンダーのページから読み取ったものです。判断を迫るのは上限のほうだからです。Airtableの無料プランは、ひとつの軸では異例に寛容で——ベース数は無制限、編集者は5人——もうひとつの軸では異例に厳格です。ベースあたり1,000レコード、添付ファイル1 GB、自動化の実行100回。フリーランスの顧客管理表なら、1四半期で1,000行に届きます。そうした移行は料金ページから始まるのではなく、火曜日に失敗したひとつの貼り付けから始まるのです。
各ツールが実際に何を計測しているか
NocoDB は、そのまま置き換えられるクローンにいちばん近い存在で、すでにサーバーを借りている人にとっては最も安く済む移行先です。セルフホストは無料で、プロジェクトはオープンソースです。一方ホステッドの無料枠はAirtableより厳しく、編集者3席・1,000レコードなので、クラウド版は上限から逃れる場所ではありません。Plusは年払いで1席あたり月約$12で50,000レコード、Businessはその倍の約$24で300,000レコードと外部データベース接続が付きます。ここが、NocoDBが表計算ソフトのふりをやめて、手持ちのPostgresやMySQLのフロントエンドになる地点です。この最後の機能こそ、BaserowではなくNocoDBを選ぶ理由になります。
Baserow はオープンソース勢のなかで最も落ち着いたインターフェースを持ち、無料枠も最も分かりやすいものです。ワークスペースあたり3,000行、ストレージ2 GB、自動化クレジット2,000、すべてのビューが使えます。Premiumは年払いで1ユーザーあたり月約$10(月払い$12)で50,000行、Advancedは約$18(月払い$22)で250,000行です。単位に注意してください。行数はテーブル単位ではなく、ワークスペース単位で数えられます。小さなテーブルをたくさん置く分には余裕がありますが、60,000行のインポート1本は収まりませんし、カウンターを逃れるために5つのテーブルに分割するのも同じです。セルフホストは無料で、Docker composeファイルひとつとバックアップの習慣があれば始められます。
Teable も行数をスペース単位で計測しますが、出発点は低く、伸び幅は大きくとってあります。無料プランで1,000行、最初の有料スペースで250,000行、その次で1,000,000行、そして単一テーブル内の行数には上限がありません。データベースを後付けするのではなく、最初からPostgresにネイティブに保存するのが、技術系のチームが上の2つではなくこれを選ぶ理由です。その代償はエコシステムの若さです。テンプレートは少なく、連携も少なく、そのバグを踏んだことのある人の層も薄いままです。
Grist は変わった存在で、クローンに決める前に一度試す価値があります。表計算ソフトが先にあり、データベースが後に来るツールです。数式はPythonかExcel構文で書け、列ごとに型を持ち、テーブル間の参照も本物です。オープンソースでセルフホストも可能、ホステッドのプランは個人向けなので、有料のAirtableベースを置き換えられると決めつける前に現行の上限を確認してください。予算モデルや計算のある在庫表なら、Gristは「グリッド+リレーション」型のクローンよりずっと快適で、そしてこれは多くの人が自分がそのカテゴリにいることを忘れている、れっきとした「データベース」の一種です。
Google Sheets に1段落を割くのは、検索の大きな割合に対してこれが正直な答えだからです。スプレッドシートはおよそ1,000万セルを保持でき、費用はかからず、Apps ScriptがAirtableで実行回数を課金している自動化を肩代わりします。2万行以下、編集者が数人という規模なら、ソフトウェアらしく見えるかどうかを除くすべての軸で勝ちます。ただし型付きのリレーション、レコード単位の添付ファイル、リンク先テーブルに書き込むフォームは与えてくれません。Airtableに最初にお金を払う理由になった3つが、まさにそれです。
Notionのデータベース が正解になるのは、その表が文章のすぐ隣にある場合だけです。その「ベース」がコンテンツの制作フローや読書リスト、あるいはすでにドキュメント上で議論されている採用管理表なら、Notionに移すことはサブスクリプションを増やすのではなく減らすことになります。チームが離れる側の旅については、Notion代替ツールのガイドで扱っています。逆に、3万行と4つの自動化を抱えた業務用の表なら、Notionは木曜日までにあなたを失望させます。

AppFlowy公式サイトの画像。同じ系統にあるもうひとつのオープンソースの選択肢です。
乗り換えが実際に壊れるところ
難しいのは移行そのものではありません。だからこそ、エクスポート手順で終わるガイドは役に立ちません。壊れるのは3か所で、しかも順番に壊れます。
CSVはリレーションを平坦にします。 テーブルをエクスポートすると、リンクされたレコードのフィールドはカンマ区切りの名前の文字列になり、添付ファイルはファイルから丸ごと消えます。リンクした2つのテーブルを手で作り直すのは午後の仕事ではなく一晩の仕事で、添付ファイルには別途エクスポートかAPIスクリプトが要ります。見積もるべきはエクスポートではなく、後片付けのほうです。
自動化にはエクスポート形式がありません。 Airtableの無料プランは月100回の自動化実行を許し、Teamでは25,000回に増えます。そしてそのルールのひとつひとつは、誰かが数か月前に下して忘れたトリガーの判断です。NocoDBやBaserowで組み直すと、そのすべてをもう一度議論することになります。たいていの場合、その3分の1はそもそも発火していなかったと分かるだけですが。
「セルフホストは無料」は人件費を隠しています。 $6のサーバー、週1回のスナップショット、そしてアップグレードの責任者。これは現実的な月額コストで、小さくてもゼロではありません。チームにパッチを当てる人がいないなら、1席$10のホステッド版のほうが無料版より安くつきます。
そして、留まる理由がひとつあります。顧客向けのインターフェースです。AirtableのPortalsアドオンはTeamで15ゲストまで月およそ$120からで、その裏にあるインターフェースビルダーは、クローン勢が提供するものより今も優れています。外部の人があなたのベースにログインするなら、その差こそが支払っている製品です。カードが目的でなくなって久しいのに人がTrelloに残るのと同じ理屈で、それについては2026年にTrelloを離れるで扱いました。
4人のチームなら、午後ひとつで決まる
すべてを移行するのではなく、ベースを相手側で分けます。クライアントがログインするベースはAirtable Teamに残し、そこに触る2〜3席だけを支払います。社内の業務ベース——外から誰も見ない5,000行のほう——はセルフホストのBaserowへ移し、行のコストをドルではなくディスクで払います。追跡用のシートはGoogle Sheetsに置いたままにして、それがデータベースだというふりをやめます。
その下にある原則はこうです。他の人が見る表には席単位で払い、自分だけが見る表にはサーバー単位で払う。上の代替ツールはどれも、何かの軸ではAirtableより劣っています。問題は、その軸をあなたのチームが使うかどうかだけです。ビジネス向けAIツールのまとめでは、CRM、ドキュメント、議事録といった隣接する判断を扱っています。同じ理屈が当てはまる領域です。
価格とプラン上限は、2026年10月31日にairtable.com、nocodb.com、baserow.io、teable.io、getgrist.comで確認したものです。掲載にあたってベンダーからの支払いはありません。上限は変わるので、チームを移す前に公式の料金ページで確認してください。